元気が無くなってから2週間で君は逝ってしまった。あんなに元気に野川を走っていたのに、信じられないよ。やっぱり環境の変化が悪かったのかな、独りぼっちでお留守番してる時間が長かったからかな、ちゃんとしつけをしなかったから、拾い食いし過ぎたからかな、お父ちゃんとお母ちゃんは、仕方ないことだとわかっていても、自分たちを責めずにはいられませんでした。後悔の涙は尽きることなく、苦しくてたまりませんでした。
お花に囲まれて眠るかのように安らぐハリー。たくさんの人が君の死を悼んでくれたね。ハリーは太く短く熱く生きたから幸せ者だと言われたよ。そうだといいんだけど。
お父ちゃんお母ちゃんは、自分たちの気持ちにケジメをつけるため、君を手厚く弔うことにしました。府中にある慈恵院を見に行きました。そこは緑に囲まれた静かで清々しいお寺で、沢山の動物たちが眠っていました。親バカ、大袈裟かもしれないけど、ここで、君の葬儀を行うことを決めました。
今日、お坊さんの読経の中、君の実体と最期のお別れをしました。涙が止まらなくなりました。
だけどね、お父ちゃんとお母ちゃんは奇跡を見たんだよ!君が火葬されている間、青い空に君が疾駆する姿そっくりの雲があらわれたんだよ!お父ちゃんお母ちゃんは涙を流しながらその姿を眺めました。ハリー、お別れの挨拶に来てくれたんだね。
実体を失って、苦しかった病もなくなって、自由に空を駆けられるんだね。喜んでいるように見えたよ。
ハリーは白いお骨になりました。
ざわざわしていた気持ちがすぅーっと落ち着きました。
本堂で読経をしてもらいました。
私たちも清々しい気持ちに満たされてゆきました。
君の不在は、ことあるごとに私を悲しくさせる。だけど実体はないけど、魂がいつもいつでも側にいることを感じました。私たちには葬儀は必要な儀式でした。
ハリーは沢山のことを教えてくれたね。何でもない平凡な日常の繰り返しの中にこそ、素敵で幸せなことがあるんだね。
お母ちゃんは生きてることに傲慢だったと思うよ。
君が身をもって教えてくれたことを、お母ちゃんは心に刻んで生きていきます。
ずぅーっと一緒だよ、ハリー!