施設に着くと、エントランスまで聞こえるくらいの大声で「なんで俺をこんなところに連れてきた!こんなとこ居られるか!」激昂している。職員さんも困り果てていた。
なんとかなだめて連れ帰る。バッグの中からはあろうことか缶ビールが出てきた💦知らぬ間に持ち込んでいたらしい…施設長、ケアマネジャーから連絡入り、まあ出禁となりました。
その後、話し合う中で、アルコール依存がからむ認知症は、他の方とのトラブルが発生しやすく一般のディサービスで預かるのは難しい、一度精神科で診てもらった方がいいとアドバイスのような、最後通告のようなことを言われた。まあ仕方ないよね。
認知判断をしてもらった病院に父を連れて行き、相談する。精神科って一言で言うけど、どういう扱い受けるか知ってる?本人が嫌がると拘束されるんだよ。老い先短いのだから、飲ませてやるのも手だよ、アルコールからくる認知症だから悪化するけどね、と言われた。正直なところを言ってくれてありがたかった。縛り付けられてる父は見たくない。よっしゃ、うちで好きな酒飲ませて見守るしかないか、と腹を括った。
車の運転はさせられないため、鍵を隠し、本人には認知症が進行してると告げ、免許返納を促した。俺はボケてなんかいない、とがんばっていたが、警察から通告が来てる、と適当なこと言ってなんとか返納させた。
父はお酒とつまみ少々あれば大体はご機嫌だった。が、家族が仕事や学校で不在の間、ストックの酒が切れると、ふらふら徘徊するようになった。道がわからなくなってしまったり、6時間も戻ってこない時もあって、警察に捜索願いを出したこともあった。家を空ける時は、いつも気がきではなく、そして、大なり小なり毎日なんかしらの事件が起きた。